高齢者の住まい〜玄関編〜

リハビリ
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リハビリ職員の皆様お元気でしょうか。今回のテーマは環境設定です。退院前訪問では実際のご自宅に訪問し動作の確認や住宅改修、福祉用具貸与等の検討をすると思います。この時、どのようなところに注意して見る必要があるのか、どのような選択肢があるのかと不安な方も多いと思います。

今回は玄関編です。玄関は外と自宅をつなげる大切な場所です。最後まで読んで頂き、よりよい環境設定を行えるようになりましょう。

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道路から玄関まで

持ち家の方の場合ですと、道路から玄関までに階段があることが多いと思います。屋外の場合は雨で濡れていて滑りやすい場合もありますので、可能であれば手すりをつけましょう。階段は上りより下りのほうが難しい場合が多いので、下る際に健側や利き手がくる側に手すりを取り付けます。
退院後車椅子を想定している場合はスロープへ改修する必要があります。その場合は高低差の12〜15倍の長さが望ましいとされています。

例えば高低差が1mの場合には12〜15mの長さが望ましいとされています。

上がり框

玄関の上がり框は住宅の中でも最も高い段差であることが多く30㎝となることも少なくありません。上がり框を昇降する工夫はいくつかあります。

段差を分割する(式台)
上がり框に小さな段差を設置して分割する方法です。このとき設置する台の高さは上がり框の高さの半分とします。また奥行きは40㎝以上が望ましいとされています。

スロープ
車椅子の場合はスロープも検討が必要です。持ち運び可能なスロープはレンタルも可能です。屋外のスロープと異なり長さが確保できないことが多いため上がり框の高さは10㎝前後が望ましいでしょう。また車椅子を自走される場合は高低差の10倍、介助の場合でも6倍の長さがあると望ましいです。実際に介助者に介助をして頂き可能か確認が必要になります。

段差昇降機
玄関の上がり框の他に庭につながる窓にも利用可能です。1m以内の高低差でスロープ設置が困難な場合に検討します。

手すりの設置
昇降時に上下の移動があるため、上がり框の手すりは基本的に縦手すりを設置します。
玄関には靴箱が設置されている場合も多く、靴箱を支えにして昇降できる場合はそちらでの代用も可能です。またレンタルでの手すりの設置も可能です。壁に設置する場合に比べて場所を取ることが多いので比較的広めの玄関で設置可能です。住宅改修とレンタルでは、今後身体機能や病態の変化が起きる可能性を考えるとまずは柔軟に対応できるレンタルから検討することが多いと考えます。

その他

・屋外歩行時のみ歩行器を利用する場合は歩行器の置き場所も検討する必要があります。玄関に置くことが多いですが賃貸の場合は玄関が狭い場合もあります。その場合は自転車置場や階段下のスペース等に置くことで利用がスムーズになります。しかし置いてもよい場所かを大家さんに確認する必要があることや盗難されるリスクがあるため注意が必要です。

・玄関には靴の着脱時転倒を予防するため、椅子を配置して座って着脱することをおすすめしています。椅子は車輪がついていない椅子で可能であれば肘置きがあるとより転倒防止になります。

・上がり框を上がった所にマットを配置されている場合がありますが、マット自体が滑ってしまい転倒につながる可能性がありますので、可能であれば撤去するのが良いでしょう。

最後に

以上が玄関の環境設定のまとめになります。玄関が適切な環境設定をなされていなければ、外に出る機会が減ってしまいます。それにより社会参加への頻度が減ってしまい最終的には廃用症候群のリスクや生きがいの欠如等のリスクが高まります。そのため玄関の環境設定は重要事項の一つを考えています。
適切な環境設定を行い、社会参加につながるようにしていきたいですね。

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最後まで読んで頂き、誠にありがございました。

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