高齢者の住まい〜寝室編〜

リハビリ
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リハビリ職員の皆様お元気でしょうか。今回のテーマは環境設定です。退院前訪問では実際のご自宅に訪問し動作の確認や住宅改修、福祉用具貸与等の検討をすると思います。この時、どのようなところに注意して見る必要があるのか、どのような選択肢があるのかと不安な方も多いと思います。

今回は寝室編です。夜間の睡眠が不十分になると日中の活動が乏しくなってしまい社会参加の機会がへることや廃用症候群にも繋がります。また夜間はふらつきが生じやすく転倒リスクも高いため、適切な環境設定が必要になります。今回の記事を読んで頂き日々の業務の参考にして下さい。

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配置

寝室の位置についてはトイレに近い部屋が望ましいです。理由として夜間は覚醒不十分な状態でトイレまで移動する必要があり、転倒リスクが高まるためです。寝室〜トイレまでの動線上はできるだけ配置物を少なくし、夜間でも動線上の電気は(廊下等)は可能な限り点けておくことで転倒を防ぎやすくなります。また和室を寝室にしている場合は敷居の段差につますぐことが多いためすりつけ板や手すり等を利用し転倒を防ぐことが大切です。トイレが遠い場合は近くの部屋への寝室の変更を検討してみましょう。また寝室が2階であり動線上に階段がある場合は階段から転落し大怪我になる可能性があるためより一層注意が必要になります。

和室の敷居にはすりつけ板を設置し段差を解消する
すりつけ板を横から見た図

また部屋の広さについても注意が必要になります。車椅子を利用する方や夜間ポータブルトイレを利用する場合は設置可能なスペースを確保する必要があります。退院前訪問の際は必ずメジャーや実際に車椅子を持っていき、スペースを確保できるか確認しましょう。またベッドを配置する場合もどちら側に起き上がるのか、搬入する通路はあるのか検討が必要になります。

就寝形態

日本人の家庭では布団がよく用いられます。布団では床からの立ち上がりや布団をしまうという動作が必要になります。そのため転倒に繋がりやすく高齢者や下肢筋力の低下している方に関してはベッドの導入を検討する必要があります。もちろん若い頃から馴染みがあり布団へのこだわりがある方もいらっしゃいます。そのためベッドを提案してもどうしても布団がよいという方は床からの立ち上がり動作や布団をしまう動作の練習を実施する必要性があります。

ベッド

ベッドに関しては福祉用具貸与の対象でレンタルが可能です。しかし要支援1,2、要介護1の方は対象になりませんので注意が必要です(起き上がり、寝返りが困難な方の場合は対象になります)。
レンタル可能なベッドは、ベッド自体の高さを変更することや、背中部分が持ち上がり起き上がりを補助する効果が付帯しています。ベッドの高さに関しては高いと立ち上がりが楽になりますが、転落した場合の衝撃が強くなってしまいます。逆に低いと転落した際の怪我のリスクは減りますが立ち上がりが困難になる場合があります。そのため事前に立ち上がり可能な高さを退院前に確認しておくことが必要になります。またベッドには転落防止のための柵を設置できますが、柵の間に首や腕を挟んでしまう事故が生じる可能性がありますで、注意喚起が必要です。
その他にもマットレス、ベッドテーブル、スライディングボード、スライディングマット、介助用ベルト、体位変換用クッション、移動用リフトもレンタル対象になりますのでご検討下さい。

トイレや玄関など在宅の内容についてまとめていますのでこちらもどうぞ↓

以上が寝室の環境設定となります。特に寝室〜トイレまでの動線上は転倒リスクが高くなりやすいため念頭において環境設定を行うことが必要です。

最後まで読んで頂き誠にありがございました。

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