高齢者の住まい〜トイレ編〜

リハビリ
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リハビリ職員の皆様お元気でしょうか。今回のテーマは環境設定です。退院前訪問では実際のご自宅に訪問し動作の確認や住宅改修、福祉用具貸与等の検討をすると思います。この時、どのようなところに注意して見る必要があるのか、どのような選択肢があるのかと不安な方も多いと思います。

今回はトイレ編ということで、トイレに関しての必要な環境設定や指導内容等をまとめていきたいと思います。在宅への復帰を目指す上でご家族からの要望が最も多い動作が排泄動作です。そのため在宅に向けての環境設定で最も力を入れるべき場所とも言えます。

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まずは動作状況の把握が必要

トイレ動作に関して必ずご自宅へ訪問する前に確認する必要があります。また環境設定を事前に念頭に入れ下記の項目も確かめておきましょう。

  • 移乗動作時手すりの必要性
  • 立ち上がりが自己にて可能な椅子の高さ
  • 介助の有無
  • 夜間の動作状況

そして自宅訪問の際には在宅での動作を想定して実際の場面で動作をしていただくことも大切です。介助者が必要な場合は二人が入れるスペースがあるのか、介助者の動作方法は適切かを確認します。

夜間のトイレへの移動が困難な場合や日中家族が不在で転倒リスクが高い場合等はベッドサイドにポータブルトイレを配置するケースもあると思います。しかしポータブルトイレは家族から見えやすいことや後始末を依頼する必要がありプライバシーの保護が不十分という問題があります。そのため安易に利用するのでは無く、しっかりと検討を重ねることが重要になります。

その他にも多くの環境設定の検討点がありますのでみていきましょう。

基本的にトイレの扉は外開きです。内開きですとトイレ内で急変がおきた場合に救助に時間がかかるからです。しかし外開きの場合にも不十分な場合が出てきます。

このような場合ですと右から入った場合は入りやすいですが左側から入ろうとする場合は一度右側へ回り込む必要があります。歩行状態は不安定な方や歩行器歩行や車椅子の方にとってはとても大変な作業になります。そのような場合ですと引き戸への住宅改修が有効になります。

引き戸にすることでとの動きを考慮して動く必要がなくなり転倒の危険性が低くなります。

手すり

便器への移乗動作や便器での座位保持、便器からの立ち上がりのための手すりが必要になります。一般的にはL字型の手すりをつけることが多いです。これは座位の際に横向きの手すり、立ち上がりの際に縦側の手すりを利用できるからです。左右については立ち上がる際に最も上肢の力に頼ることになるため健側や利き手等力の入れやすい側に設置します。

また賃貸などで住宅改修が行えない場合も簡易的に設置できる手すりがあります。便器の両側に手すりをつけることができるものや、床と壁に突っ張り棒のようなものでつけるタイプもありますのでご検討ください。

また便器の高さが低くご自身で立ち上がることができない場合には補高便座というものがあります。しかし補高便座を利用する場合は足が地面につかないと座位が不安定になる危険性もありますので注意が必要です。またスイッチによって便座が上がり立ち上がりを補助する機械もありますので、選択肢として持っておくことが大切です。

その他

他にもトイレ環境において重要な点を記載しますので参考にして下さい。

・トイレが和式の場合は膝関節の可動域制限があると難しい動作になります。

その場合は和式トイレを洋式トイレに変更できる福祉用具がありますので検討して下さい。

・便器の前方にマットを敷かれるご家庭もありますがマットが滑ることで転倒につながる危険性がありますのでご家族へ説明し、撤去することも検討が必要になります。

・夜間のトイレを想定し、寝室からトイレまでの導線上の段差の解消や、廊下の電気をつけて明るくしておく等があると転倒防止になります。

まとめ

以上が自宅訪問時に検討するべきトイレの環境設定です。排泄動作は自尊心にも関係し、失敗は本人のの精神的なダメージだけでなく家族にとっても大きな負担となります。そのため多くの選択肢や着眼点をもってよりよい環境設定に繋げ、よりよい在宅生活を送れるよう支援することが大切だと思います。

玄関や寝室など在宅生活のまとめはこちらをどうぞ↓(^^)

最後まで読んで頂きまことにありがとうございました。

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